割り切りを重ねて

 何人かの女性と出会って、お茶して話すだけのこともあれば、ホテルにまで行ってしまったこともある。そういう体験を積み重ねて分かったことは、出会い系サイトにいる女性にも、いろいろなタイプがあるということだ。
 あるとき、20歳の女の子と出会った。1回こっきりの割り切りのはずだった。しかし彼女はホテルに入るなり「良かったら、月々いくらで愛人にしてくれませんか?」と聞いてきた。彼女の言う額はわたしの自由になる額ではなかったし、愛人という響きはなんだかとても重たく思えて断った。断った後での彼女のモチベーションはずいぶん低く、ベッドに入ったところでそれは変わらず、ベッドに横たわったままテレビを見ていた。勝手にすれば、と言わんばかりの態度に腹が立ってきて、シャワーも浴びず一人で服を着ると最初に決めた金額の半分だけ置いてホテルを出た。彼女は後ろからずいぶん乱暴な言葉を投げかけてきたが、振り向きはしなかった。
 またあるときは、30代前半を名乗る女性と待ち合わせの約束をした。大抵は若い女の子に声をかけるので、同い年くらいの女性と会うのは初めてだった。「相性が良ければ定期的に」とメッセージにもあって、少し期待していた。しかし現れたのはどう見ても40を超えたおばさんで、悪い人ではないと思うのだが、笑うと煙草のやにで黄色く染まった歯が見えて、わたしは予定もない急用をこしらえて消えた。
 何度かそんなことを繰り返していると、急にむなしさが襲ってきた。ふらっと女性と会い、いっとき肌を重ねても、なんとも満たされないものが残った。セックスをしてホテルを出て、一応「またね」と手を振って別れた後で、時間と、お金と引き換えに残るものが何もないという事実に、なんともむなしい気持ちになるのだった。

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