女性との出会い

 彼女の書き込みを見つけたのは、そんな時だった。
 その書き込みは、他の書き込みと何かが違っていた。どことなく地味というのか、中性的というのか、いかにも出会い系サイトで出会いを求めているという感じではなかった。その「感じ」をうまく説明することは難しいのだけれど。
 とにかく彼女の書き込みには、しばしば若い女の子の書き込みにある、何が何でも男性に会わなければならないという欲のようなものが感じられなかった。良い人に出会えたらいいな、という彼女の思いが透けて見えるようにも感じた。
 そしてそれは、わたしが求めていたものに合うと思った。わたしはすぐにメールを送り、自分がどんな出会いを求めているのかを詳しく書き送った。なぜ顔も見たことのない女性にそんなメッセージを送っているのかは自分でも分からなかった。
 彼女から返事が来て、一度会いたいと書かれていた。相変わらず条件の提示はなく、「会うのに条件はありますか?」と尋ねると「条件…って何ですか?」と聞き返されたりした。出会い系サイトでもこんな人がいるんだと驚いた。
 日曜日の午後、駅前で待ち合わせをして喫茶店で少し話した。三十代半ばを過ぎて、なお愛らしさをたたえた笑顔で見つめられると、なんとも気恥ずかしく、女性と言葉を探しながら話す気恥ずかしさを伴った楽しさであっという間に時間が過ぎていた。それは久しぶりの恋の始まりだったのだと思わずにはいられない。
「あの、ホテル、行きます?」切り出したのは彼女の方だった。
 駅前のシティホテルに部屋を取り、いつになくゆったりとした気分でわたしたちは抱き合った。いつ以来のセックスだろうか。女性のぬくもりに包まれる久しぶりの感触に、わたしはそんなことを考えていた。

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