多様化した愛人関係

 女性の掲示板にもいろいろある。条件と場所だけが書いてあって後はメールという人もいれば、最初から情報をバンバン出して安全な相手であることをアピールする人も、ちょっと特殊なフェチをさらけ出している人もいる。それぞれ、求める男性像に合わせたアピールをしているということだろう。
 わたしはと言えば、最初から一回きりというのを前提としているような書き込みはほとんど聞き流して、相性が良ければ、可能性があれば長期的に、といった書き込みの方に重点を置いて探していた。
 「可能性があれば長期的に」と言っているユーザーでも、必ずしも愛人を募集しているわけではなくて、同じユーザーが何度も同じような書き込みを繰り返すのをしばしば目にしていた。「条件が合えば」と言いはしても、普通の会社員の自由になる分などたかが知れているわけで、実入りだけを考えるならば一回きりの割り切りを繰り返した方が歩留まりが良い、要するにそういうことだ。
 わたしは自分がどんな女性を求めているのか、改めて考えてみることにした。若い女性とセックスがしたいだけならば、何も愛人を持つ必要はないのだ。月に何度か風俗店に通い、お客としてチップをはずめばよほど楽しいひと時を過ごすことができるだろう。しかしわたしが欲しているのはただ単に身体を重ね合う相手ではなかった。もっと深く、お互いを異性として求めあえるパートナーなのだ。いわば、妻とは違う第二の恋人だ。
 若い女性と会えば楽しい。それは男の性のようなものだ。しかしわたしはあからさまに若い女性を探すのをやめた。若い女性とは、そんな深いつながりを築くことはできそうにないと思ったのだ。そしてわたしが気づいたのは、わたしと同じように夫とのつながりを喪った女性がいるのではないかということだった。

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