危険な出会い系

 その出張からしばらくして、わたしは出会い系を一度やめた。恋人ができたのが最大の原因だったのだが、それとは別に、わたしの身の回りでちょっとした「事件」があったのだ。
 同期の友人が、会社を辞めたのだ。
 同期会で意気投合して時おり飲みに行く程度の関係ではあったので、突然辞めたと聞いてわたしは会いに行った。変な噂もあった。彼はなんでも、家出してきた高校生をマンションに住まわせて、身体の関係を持っていたというのだ。
 顔を合わせてみると、彼は思ったより元気そうだった。高校生を愛人にしてたらしいじゃない、と水を向けると、彼は事情を話してくれた。
「半分は本当だけど、半分は誰かが盛ったんだよ」
 彼の言うところによると、以前から出会い系で遊んでいた。愛人募集ではなく、一晩限りの遊びの関係で何度か女の子と会ったという。同期会ではお互いに性や風俗の体験談で盛り上がったこともあったので、同僚の口調はさほど重くもなかった。
「夏になると、夏休み中の高校生とか、ひどいのになると中学生とか、ときどきサイトにいるんだよね」
 当時の出会い系サイトの規制は緩かった。年齢確認はただ「18歳以上です」とボタンを押させるだけで、それ以外にサイト管理者は「18歳未満お断り」と書くくらいしかすることはなかった。援助交際の温床として目をつけられるのは当然だった。
「あるとき会った娘がさ、やけに若いとは思ったんだけど、高校生とは知らなくてさ」
 高校生、というところだけ声が低くなったのがリアリティがあった。
「そのときは何ともなくて、楽しかったんだけどさ、あとでなんだか補導されちゃったらしくてさ。援助交際の常習犯なんだってさ。愛人として何度も、っていうんならわかるけど1回きりだしね。でも関係を持ったのは事実だし、こっちも連絡先を交換してるから、調べて会社まで来ちゃってね」
 マンションに住まわせる金なんかないよ、と彼は笑っていた。

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