変化した出会い系

 そのとき付き合っていた彼女とは、そのまま結婚することになった。一年ほどして子どもがお腹の中に授かり、そのことはとてもうれしかったけれど、性生活ということで言えば多少窮屈なのは間違いなかった。
 だからと言って、愛人を囲ったり風俗に行ったりしなかったのは、余計な羞恥心が邪魔させたのか、それとも偶然の出会いに期待したからだろうか。わたしは再び出会い系サイトに手を出した。
 今にして思えば、結局は言い訳が欲しかったのだと思う。愛人契約なんて、もう言い訳はできない。風俗は性欲と直結していてあからさま過ぎる。出会い系サイトなら、サイトで遊びに行く相手を募ったら意気投合してしまい、ホテルにまで行ってしまったというストーリーができる。妻を裏切っていることに変わりはないけれど。
 久しぶりに覗いた出会い系サイトは様変わりしていた。登録し直そうと思いデータを送信したが、それだけではフル機能は使えず年齢確認が必要だという。個人情報の箇所を紙で覆った免許証を携帯電話のカメラで撮影し、送信した。
 あとで調べたところによると、平成15年に「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」という法律が制定されて、インターネット異性紹介事業者、つまり出会い系サイトの運営者は18歳未満の児童がサイトに紛れ込まないように周知監視する必要があるということだ。そしてこれらを徹底したうえで、必ず都道府県に運営の届け出をしなくてはならない。この登録をしていないサイトは所謂「闇サイト」で、うっかり利用すると何が起こるかは分からないということだ。わたしは会社を辞めていった同期の彼のことを思い出して、身震いをした。

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